ライナーノーツ:おなかいっぱいの愛を!

自分に宛ててライナーノーツを書こう、そう思ったんです。

 

一番の理由は創作したら振り返る習慣をつけたいねと言うところで、つまりは反省文です。

と言うわけで、昨日開催されたナナフェス7.5にて頒布した『おなかいっぱいの愛を!』について少し。

『おなかいっぱいの愛を!』(以後ヒナ本)は、ナナシスに登場するライバルバンド・4Uのドラム担当佐伯ヒナに焦点を当てた漫画です。僕はストーリー担当という形で関わっております。

佐伯ヒナさんって、作中怒るシーンが無くて(あったら教えてください)、いつもニコニコ笑ってるんです。だから、「どういう時に彼女は怒るんだろうか」というのがスタート地点でした。

一応それなりにぼんやり考えてみて、「4Uは3人揃ってこそ」というのを他ならぬメンバーが冗談でも否定すれば怒るのではないか、という辺りで落ち着きました。エピソード4Uの後半では九条ウメさんがかなり独裁的に振舞い、当時の佐伯さんはそれに従うばかりでした。ですがエピソード4Uを経験したからこそ、今の彼女なら怒れるんじゃないかとなんとなく。

そこからは、怒るとこからスタートして、じゃあ残り二人はどんな反応をするだろうか、それに佐伯さんはどう反応するだろうか、と考えていると、お話の形になりました。

個人的には、鰐淵エモコさんが「だからこそ」というシーンが気に入っています。鰐淵さんの、気取ってるけど4U愛が溢れて隠せないところが大好物なんです。

浜屋さんの頑張りにより、ネタ出しの段階から本になるまでにかなり面白さの増したお話でした。ただ自分なりに反省点もいくつかあったので以下に。*1

第一に、オチが直球すぎたかなーと。具体的に何か代替の案があるわけではないんですが、もう少し何かできた気がしています。

第二に、展開の作り方が粗雑だったかもしれない、と。原案の時点では、もっとウメが酷いこと言ってる風だったんですが、エピソード4U後の九条さんからその言葉は出したくない、ということで今の形に。また、これはこの本に限った話ではないんですが、キャラクターを深刻な状況に放り込まないとお話にできない、というのも反省です。

 

というわけで、次回は繊細なやつをやる。「キャラを泣かすな、読者を泣かせ」をテーマにやっていきたいです。

 

ヒナ本、浜屋さんの絵が超いいのでお手持ちのかたは是非お読みください。

 

*1:自分がお話を作るフェーズの話です。為念。